2日間にわたって基礎編、応用編の10件の講義が行われ、86名の聴講参加申し込みがあった。また、各日の最終プログラムとして講師ごとのブレイクアウトルームが設けられ、講師ごとの質問等も行われた。構成はフォトポリマーに関する各分野の内容を網羅し、フォトポリマー技術全般が解説された。
| 第33回フォトポリマー講習会 |
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| 日 時 | 2023年8月24日(木)・25日(金) |
| 場 所 | Zoomでのオンライン開催 |
| Ⅰ.基礎編 | 1.「光化学の基礎と分子デザイン」 | 成蹊大学 | 稲垣 昭子 氏 |
| フォトポリマーの反応についての基礎となる光化学について、光吸収や分子の励起などの光と分子との相互作用、励起分子からのエネルギーや電子の移動、増感反応など基礎的な現象や概念を非常にわかりやすく丁寧に解説された。光反応分子の設計例として金属錯体の光化学反応、photoredox錯体とこれらを用いた酸化的還元的消光サイクルによる光触媒的有機合成反応例について説明された。 |
| 2.「光開始剤の基礎と反応」 | BASFジャパン(株) | 鮫島かおり 氏 |
| 光開始剤の分子構造や反応についてわかりやすく解説された。各種光開始剤、特にラジカル開始剤を中心にして、活性種生成メカニズムと特徴について説明された。光硬化技術と光重合剤について俯瞰し、光集合開始剤の種類、代表的な光重合開始剤とその特性について詳細に紹介された。これらに基づいて、光重合開始剤選定と最適な使用方法についてまとめられた。 |
| 3.「ポリマーの光化学と特性」 | 大阪公立大学 | 岡村 晴之 氏 |
| 高分子中の光物理化学を低分子と比較して解説され、溶液中と高分子固体中の光反応の差異についてわかりやすく説明された。また、ポリアクリレートとポリメタクリレートなどの光反応の例を比較し、それらの反応メカニズムの違いについて解説された。 |
| 4.「フォトポリマーの特性評価」 | 大阪公立大学 | 堀邊 英夫 氏 |
| リソテックジャパン(株) | 関口 淳 氏 |
| 8月24日は関口氏が海外出張中のアクシデントとオンライン参加できなかったので大阪公立大学 堀邊教授が代講され、リソグラフィー材料・技術を概説していただき、関口氏とそれらの特性について共同研究された評価結果について解説された。8月25日に関口 淳 氏が時間を変えて講義された。リソグラフィーの工程や化学増幅型レジストの課題と、脱保護反応の評価、現像中のレジストの膨潤の評価、光酸発生剤のからの酸発生挙動および光酸発生剤からの酸の拡散挙動の評価方法に関して詳しく解説していただき、評価のために改良した分析装置、最新の評価手法などの研究結果もあわせて紹介された。 |
| 5.「フォトポリマーの材料設計」 | 信州大学 | 上野 巧 氏 |
| フォトポリマープロセスについて概説し、極性変化型レジスト、分子量変化型レジストについて材料やメカニズム、特徴などについて詳細に説明され、塗布、露光、現像などのプロセスにおける留意点、高感度についての要因を解説した。ネガ型フォトポリマーの溶解挙動測定の難しさ、高分子の溶解について触れ、フォトポリマーに求められる要求項目、露光装置・現像方法、感光性機能、要求性能への対応の点から感光材料の設計についてまとめられた。 |
| Ⅱ.応用編 | 6.「コーティング分野におけるモノマーとフオトポリマーの役割と設計思想」 | 荒川化学工業(株) | 川添 圭 氏 |
| 熱硬化と光硬化の比較や、光源や光硬化システムの特徴と課題、用途・材料構成について概説された。ラジカル重合性オリゴマーやモノマーについて詳細に解説され、光開始剤と組み合わせと特性について紹介された。さらに、光硬化を利用したディスプレイや光学フィルム製造などコーティング分野での応用例について、高硬化、低カール化、干渉縞低減、低耐電防止、塗料水系化などの課題解決と技術進展について解説された。 |
| 7.「光硬化型接着剤および光アニオン硬化の接着剤への活用」 | (株)スリーボンド | 大槻 直也 氏 |
| 身近な接着剤の紹介に始まり、接着剤の分類から「なぜ接着するのか?」について解説し、光硬化型接着剤についてラジカル、カチオン、アニオンUV硬化の原理、物質および接着剤分野におけるそれぞれの硬化方法の長所と短所を比較され、課題のひとつである硬化収縮と反応の分子動力学シミュレーションによる解析について説明された。また、種々の影部硬化性の付与方法について解説された。その方法として光硬化シアノアクリレート接着剤や光スイッチ硬化型エポキシ樹脂接着剤ついてメカニズム・特性について詳しく解説された。加えて光硬化型接着剤の硬化収縮挙動の評価方法について紹介された。 |
| 8.「感光性耐熱材料の最近の進歩」 | (株)東レ | 富川真佐夫 氏 |
| ポリイミドが優れた耐熱性、機械特性、電気絶縁性をもつことから、電子材料などに用いられるエンジニアリングプラスチックとして発展し、感光性ポリイミドが出現してきた技術的背景について歴史的にも詳しく解説された。ポリイミド(PI)およびポリベンゾオキサゾール(PBO)系の材料を中心に、ポリイミドの光化学と具体的な感光材料、次世代に向けた低温硬化材料などへの取り組みを紹介された。さらに、ポリイミド/銅界面での化学、先端パッケージ用材料、ディスプレイ用途への展開など最新の開発動向についても詳しく解説された。 |
| 9.「微細加工用レジストと先端リソグラフィー技術」 | 兵庫県立大学 | 渡邊 健夫 氏 |
| 半導体とは何かにはじまり、動作原理やデバイス構造・性能を平易に解説し、半導体の市場や微細加工技術の必要性について説明された。長年の開発と実用化に至ったEUVリソグラフィプロセスについて解説された。最先端半導体加工技術となったEUVリソグラフィーの課題と今後の展望について各プロセス要因から解説された。さらに技術的課題解決に向け、EUVリソグラフィー研究開発センター(CEL)の研究成果を紹介し、レジスト評価技術の展開についても説明された。さらに将来のEUVの短波長化:BEUVの可能性や日本の半導体復興に向けた取り組みについて課題と提案を述べられた。 |
| 10. 「トピックス 光クリックケミストリー:2022年ノーベル化学賞「クリックケミストリー」の展開ー」 | 東京理科大学 | 有光 晃二 氏 |
| 2022年ノーベル化学賞が「クリックケミストリー」に授与されたことに鑑み、光クリックケミストリーとしてフォトポリマーへ展開されてきている反応を中心に解説された。光クリックケミストリーの研究の概念と展開について詳細に説明された。それを踏まえて、独自に切り拓いている光強塩基発生剤群、それらを応用した光強塩基発生剤/エポキシ系フォトポリマー、光強塩基発生剤/エピスルフィド系フォトポリマー、光強塩基発生剤/アクリル系フォトポリマー、光強塩基発生剤/過酸化物反応系、光チオール発生剤などによるクリックケミストリーの展開ついて解説された。 |