二日間にわたってフォトポリマー各分野から10件の講義が行われ、68名の聴講参加申し込みがあった。また、各日、講師ごとのブレイクアウトルームが設けられ、活発な質問討論が行われた。
| 第34回フォトポリマー講習会 |
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| 日 時 | 2024年8月29日(木)【基礎編】・30日(金)【応用編】 |
| 場 所 | Zoomでのオンライン開催 |
| Ⅰ.基礎編 | 1.「光化学の基礎と分子デザイン」 | 成蹊大学 | 稲垣 昭子 氏 |
| フォトポリマーのフォトの部分、すなわち光反応の基礎について平易に講義された。光と分子との相互作用、分子間のエネルギー移動や電子移動、増感反応などの基礎的な概念をとてもわかりやすく解説された。光反応分子の設計例として金属錯体の光化学反応とこれらを用いた酸化的還元的消光サイクルによる重合反応などについて明快に説明された。 |
| 2.「光開始剤によるラジカル生成とその反応素過程に対する高速ESR分光観測」 | 神奈川大学 | 河合 明雄 氏 |
| 反応中間ラジカルの直接的検出法である時間分解ESRやパルスESRの原理や測定例についてわかりやすく解説された。時間分解スペクトル観測の現象原理の説明や歴史の説明からはじまり、光ラジカル開始剤からのラジカル生成過程とモノマーへの付加反応の観察、さらに電子スピンエコー観測することによってラジカル付加反応の反応速度定数を決定し、それらの産業的応用についても議論された。 |
| 3.「ポリマーの光化学と特性」 | 大阪公立大学 | 岡村 晴之 氏 |
| 高分子中と低分子の光物理化学を比較し、溶液中と高分子固体中の光反応の差異についてわかりやすく説明された。特に、ポリマーの光分解について中心に解説され、ポリアクリレートとポリメタクリレートなどの光反応の比較や、分解反応の温度依存性、光安定化や光フリース転移、典型的なポリマーの光分解メカニズムについて詳しく述べられた。 |
| 4.「リソグラフィ技術の基礎とフォトレジストの材料設計」 | 大阪大学 | 遠藤 政孝 氏 |
| 光リソグラフィ技術を構成する要因である、露光、マスク、反射防止やハードマスクなどにおける特有な課題についてわかりやすく説明し、これらを解決してきた技術史を明瞭に解説された。さらに、微細加工技術のロードマップから、技術の変遷に対応してきたフォトレジストの材料設計について、その要点をわかりやく説明された。また、現在最先端である発展著しいEUVレジストについてメタルレジスト、ドライレジストなども含めてその特徴や課題について解説された。 |
| 5.「フォトポリマーの特性評価」 | リソテックジャパン(株) | 関口 淳 氏 |
| フォトポリマーの特性評価技術、特に化学増幅レジストにおける脱保護反応、現像中の膨張、酸発生剤からの酸発生や酸拡散の挙動の測定法について、開発された測定装置や結果例を示され、それらから構築された反応モデルについて具体的に解説された。 |
| Ⅱ.応用編 | 6.「光開始剤の基礎と反応」 | BASFジャパン(株) | 鮫島かおり 氏 |
| 光開始剤、特に光重合開始剤、なかでも光ラジカル開始剤を中心にその分子構造や反応について詳しく解説された。光硬化技術と光重合特性を決定する要因や、光重合開始剤の種類、代表的なラジカル開始剤の量子収率などの基本データや生成ラジカルの反応性など、具体的にその特性について詳しく紹介された。また、増感反応の設計やカラーレジストへの応用例についてもわかりやすく解説された。 |
| 7.「光酸発生剤と先端フォトポリマー材料への応用」 | 富士フイルム(株) | 土村 智孝 氏 |
| 光酸発生剤とそれを用いたフォトポリマー材料を中心に解説された。非イオン性、イオン性などの光酸発生剤の種類と具体例と反応メカニズム、フォトポリマー材料中の反応例について解説し、最近の高度なさまざまな機能化が進められている例を整理して紹介された。さらに、先端フォトポリマー材料への応用例として、電子移動増感系を用いるスルホニウム塩光酸発生剤のアニオン部の分子設計などについて解説し、近赤外光源に対応したグラフィック材料への応用や、EUVレジストの光酸発生剤の設計と応用について紹介された。 |
| 8.「感光性耐熱材料の開発と事業化」 | 三井化学(株) | 表 利彦 氏 |
| 研究中の偶然から初めて見出したニフェジピン誘導体の反応から展開した新規感光性ポリイミドの開発と、それに続く新事業開発に関する内容を、企業内での立場とその時の失敗や勇気づけられたことなど自らの体験を交えてお話しされた。単なる材料の基礎研究に留まらず、実用材料の開発、さらに、その材料を用いた部材開発、そして最終的には、当時世界初のハードディスク部品の開発に至るまでの事例を紹介され、企業研究者としてのロールモデルとしても価値のあるお話をされた。 |
| 9.「微細加工用レジスト」 | 兵庫県立大学 | 渡邊 健夫 氏 |
| 半導体とは何かにはじまり、動作原理やデバイス構造・性能を平易に解説し、半導体の市場や微細加工技術の必要性について説明された。長年の開発の末、実用化に至ったEUVリソグラフィプロセスについて、詳しく解説された。現在、最先端半導体加工技術となったEUVリソグラフィの必要性や、その課題と展望について各プロセス要因から解説された。さらに、将来のEUVの短波長化の可能性や、日本の半導体技術や産業復興に向けた取り組みについて、課題と提案を述べられた。 |
| 10. 「トピックス 光オンデマンド法の展開」 | 神戸大学 | 津田 明彦 氏 |
| クロロホルムと酸素の混合物に紫外光を照射することで、クロロホルムの光酸化生成物が定量的に発生することを見出したことから、これを展開し、汎用性のある独自の光オン・デマンド合成法を構築された。当初から環境・社会問題解決の観点から進めてきた研究開発経緯について説明された。現在、安全・安価・簡単かつ高効率な反応システムを構築し、ホスゲンが関与できるほぼすべての合成反応に実用レベルで展開可能なことを示された。さらに、メタンを出発物質にすることや、可視光源照射の反応システムも開発し、社会実装への意欲的な展開についても力強く紹介された。 |